2013年9月16日月曜日

肝気鬱結

肝の病態の中でも肝気鬱結は最も多くみられるものの一つであろう。
肝気鬱結は肝の疏泄機能の失調であり、もともとは精神的な緊張・情緒の変動など、言い換えれば現代人のストレスに起因する病態であるので、多くの疾患を引き起こしている。
自律神経失調症・うつ病・神経症・消化性潰瘍・肝炎・胆嚢炎・子宮内膜症・子宮筋腫・甲状腺疾患等でみられる。

症状
憂鬱感・情緒不安定・ヒステリー・しゃべりたがらない・ため息が多い・胸脇部の張り痛み・胸苦しい・食欲不振・嘔気・便がすっきり出ない・便秘下痢を繰り返す・頻尿など

論治
疏肝理気・解鬱
柴胡・欝金・青皮・枳殻・枳実・川楝子(せんれんし)・香附子・厚朴・延胡索・烏薬などの疏肝解欝・理気の薬物を中心に用いる。
また肝気鬱結が続くと肝熱が生じ肝の陰血を消耗させるので、白芍・当帰・熟地黄・枸杞子などの補血薬を配合する。
また痰を伴うことで梅核気や甲状腺腫の原因となるので半夏・竹茹などの化痰薬を、血瘀と結びつくと子宮筋腫や子宮内膜症の原因となるため牛膝・桃仁・紅花等の活血化瘀薬をともに用いる。

四逆散・柴胡疎肝湯・逍遙散・大柴胡湯・柴胡桂枝湯

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